徒然なる日々

無気力怠惰系社内SEのあれやこれや

PMPに合格したので勉強方法とかをまとめておく


先月末にPMPに合格した。

会社、というか上司からのPMPを取れという圧力が強く、何とか取得にこぎつけたのでまとめておきたい。

取得にあたっては、ネット上に公開されている先人たちの知恵に大いに助けられた。勉強量としては最小限で済んだと思っているので、同じくPMPをこれから取得する人たちへの助けになると嬉しい。

 

受験申請の方法とか経歴書の提出とかは他の人たちが書いている通りで、運よく?監査にも選ばれなかったのでここでは触れない。

最初に結論の一番大事なところだけ書いておくと、「問題を解くことで知識を身に着けるタイプの人はプチまなや虎の巻の問題をやりまくろう」です。参考書を読み込んだり線を引いたり、ノートに要点をまとめて勉強するのが昔から苦手で今回もやらなかったので、そういう勉強スタイルの方にはあまりマッチしないかもしれない。

バックグランド

PMPを受験することになった時点でのバックグランドは以下の通り。

  • SIerにてSEを4年ほど
  • いくつかの内資事業会社*の社内SEを5年ほど

*最近はJTC (Japanese Traditional Company)と呼ぶこともあるらしい。こないだ知った。

プロジェクトリーダーやプロマネをなんちゃってでやってきたくらいの経験があり、PMBOKも昔の会社の研修でちょっと見たことがあるくらい。体系的な知識を付けるためにPMPを受けろと上司からの熱いプレッシャーを受けてこの度受験することになった。

なので以降の内容は、ある程度経験があってPMBOKも名前くらいは聞いたことがある、という人向け。PMP受けようとしてる人に全くの初心者はいない気もするけど。

勉強方法

恐らく多くの人がここを知りたいと思う。PMBOKを読み込まないと受からないというような意見も結構あるが、結論から言うと私は以下の勉強だけで受かった。ただ1回落ちている(血涙) なぜ落ちたのか、何故2回目で受かったのか正直よく分からないが、その辺は後述する。

  •  35時間の研修
  • プチまな(合格編)
  • Udemyの対策講座
  • 虎の巻

それぞれ説明していく。

1の研修は受験資格を得るためだけのものなので詳細は割愛する。どこか忘れたけどe-learningを受けた。Udemyのやっすいやつで十分な気がする。

番役に立ったのは間違いなく2のプチまなだろう。本番とはいくらか違う問題が出てくるものの、長文やシチュエーション問題に慣れつつ基本知識をインプットしていくには最適で、月額500円くらいととても安いし、PMPを目指す人は是非使ってみて欲しい。

勉強方法の好みは人によっていろいろありそうだけど、私は昔から問題を解くことで知識を整理するのが好きなタイプなのでこれが一番良かった。2周+αくらいして、全セクションで正答率が8割以上、ほとんどは9割以上になっていた。

pmana.jp

あとは、Udemyにある以下の講座も役に立った。具体的には、最低限必要な知識(各プロセスの流れ)の再整理をしつつ、いわゆる「PMIイズム」を理解するのにとても有用だ。必須ではないけど、PMIイズムって何ぞやという人は受講してみるといいかも。

「PMP®認定試験」で一発合格を目指す! 効率的な試験対策のための戦略コース (2021) アジャイル対応

次に虎の巻は一番有名な問題集なので買ってみた。解説パートはざっと流し読み+問題を解いてみて分からないところを復習するのに使い、主に章末問題と模試をに取り組んだ。プチまなをやり込む前後で章末問題+模試を通しで解いてみて、どれくらい分かっているのかの判断に使った。得点率は以下の感じだった。

  • プチまな前:7割くらい
  • プチまな後:9割くらい

まとまった問題数がある日本語の参考書や問題集が他に見当たらないので、演習を通して実戦形式に慣れるのにはなかなか有効だと感じた。とりあえず持っておいて損は無いだろう。(無駄に高額な受験料と比べたら安いものだ…)

PMBOKガイドとアジャイル実務ガイドについて

まず、PMBOKはページ数からしてとても読む気になれなかったので全く触れなかった。参考書的に使うと良い、という意見もあったが、1回目落ちた後にちらっと開いて5秒で閉じた。根気が無いとよく言われる。

アジャイル実務ガイドはページ数が少なそうだったのでざっと目を通したが、プチまなで得られた知識以上に目新しいものは特に無かった。

PMP試験においてはサーバントリーダーの概念がとにかく重要で、私はこの点はするっと理解できた+アジャイルの概要をなんとなく知っていたので読み込むことはしなかったが、サーバントリーダーアジャイルの一般的な考え方に触れたことが無い場合、実際の試験問題は半分かそれ以上がアジャイルに関わる問題なので、読み込んでおいて損は無いと思う。

勉強期間

去年の春頃に35時間の研修を終えたものの、その後仕事で辛いことがたくさんあってさっぱりモチベーションが無くなっていたので1年近く勉強せずに放置していた。良くない。

そろそろ1年の受験可能期間が終わってしまうことに気付いたので、(渋々)勉強を始めたのが3月の中頃。1回目の受験をしたのが4月の初めなので、実質の勉強期間は半月ほどだった。

大体毎日時間を見つけてはプチまなを解いていたので、平均すると1-2時間/日くらい、35時間の研修を除くと合計で30時間くらい勉強したように思う。

受験結果

前述の通り1回目は落ちてしまった。解いている時の感触は決して悪くなかったけど文字通りボロボロで、

  • Process: Needs Improvement
  • People: Below Target
  • Business Environment: Target

のトータルNeeds Improvementだった。悲しすぎる。

分からなかった問題もそれほど無かったし、何で落ちたのかさっぱり分からないまま打ちひしがれていたけど、再受験しないと上司に顔向けできないので再度申し込んで4月の末に受験した。

1回目に何で落ちたのか本当に分からず、全く再対策せずに、というかできずに受けに行ったものの、結果は全項目でAbove Target、トータルもAbove Targetで余裕の合格だった。

問題の詳細は教えてはいけないことになっているようなので書けないが、1回目と2回目でほとんど同じ問題が出たし、これまた何で今度は受かったのかが分からない。合格の喜びというより、結果への不信感(や受験料返せという熱い想い)が募る結果となった。まあでも受かったので結果オーライとしよう。他責思考はPMI的ではない。

これから受験する人へのおススメ

いわゆるITTOが問われる問題はほぼゼロと思っていて良い。EVMの計算なんかもほとんど出ない。CPIやSPIを見て、コスト/スケジュールが前倒しなのか遅れてるのかくらいが判断できれば十分。

で、重要なのは以下だと思う。

  • 最低限、各プロセスの流れや繋がりを押さえる(ITTOの暗記までは不要)
  • PMIイズムを理解してシチュエーション問題に適用する練習
  • 虎の巻やプチまなの問題をたくさんやってください

PMPの試験では、PMやメンバはとにかく何かに困っている。〇〇の状況だけど、次にやるべきことは何か?とか、こんな困ったことになってるけどもっと前にやっておくべきだったことは何か、とか。

ここで、以下のような選択肢は間違いの可能性が高いので選ばない方が良さそう。まさにPMIイズムというやつだろう。

  • 自分で動かず人任せにする/いきなりエスカレーションする(PMは自分で考えて自分で行動することが求められる)
  • 根本原因を探らないままいきなりアクションを起こす(根本原因が明らかになっている場合はOK)
  • 問題に対処せずに放置する
  • 事細かに指示を出したりマイクロマネジメントをしようとする(アジャイルプロジェクトでサーバントリーダーとしてふるまう場合)

追記:PMIイズムについて別記事でまとめてみました。

PMIイズムとはいったい…うごごご!! - 徒然なる日々

あと、試験勉強というよりは合間の息抜きに見ていただけだけど、イトーダさんという人のYoutube動画が結構面白くて役に立つかもしれない。PMIイズム的な話や、試験勉強の進め方などについて語っておられるので、時間があればおススメです。

www.youtube.com最後に

一回落ちて次で受かって、よく分からない試験だったけど、当日のコンディションとか問題との相性とか、そういうフィーリング的なものが効いてくる試験のように思う。

高額な再受験料を生贄に、一回落ちても諦めずにもう一回受けてみると受かることが実証されたので、これから受ける人たちも諦めずに頑張ってほしい。一回落ちてやる気なくしていたところ、次受かるかもしれんからええからもっかい受けてこい、と言ってくれた妻に感謝です。

プロマネの基本的な知識というか用語というかは確かに身についたように思うので、受けて良かった面は多々あるだろう。これからは、3年に一回の更新(と無駄に高い更新料)と付き合っていかないといけない。PMI会員ならタダで見れるウェビナーがそのままPDUになるみたいなので、有料会員でいるうちに動画見まくっていく。あとは、ビジネス書を読んでもPDUになるようなので、一石二鳥を狙って読んでいこう。

これで苦痛な試験勉強から解放されるので、次は機械学習の勉強を再開したり競技プログラミングを嗜んでみたりしたい。自由だ。

 

おわり