徒然なる日々

無気力怠惰系社内SEのあれやこれや

IT資格の価値とは…

PMPITストラテジストなど、これまでいくつかの資格を取得してきたけど、これらは果たしてどれくらい役に立ってるのだろうか。広く知識を得て仕事に多少なりとも役立てるという観点では、業務に関連する資格は何でも役に立っていると言えるし、たとえ一番簡単なITパスポートでもそれは言えると思う。日々の業務は連続的なもので、知識と経験、そしてソフトスキル的なものが複合的に絡み合っているのでいまいちその価値を実感しにくいというのはある気がするが、決して無駄ではないはず。

一方で、もう少し打算的な意味での「役に立っている」、つまりは年収向上や転職市場での価値向上への貢献度合いってどんなもんだろうか、とふと考えた。自身のスキル向上的な意味合いを除いて大きく分けると以下の2パターンあるように思えた。

  • その資格が無いとできない仕事がある
  • その資格があることで自身の市場価値が上がる

その資格が無いとできない仕事がある

例えば独占業務があるいわゆる士業、医師や弁護士、公認会計士等は資格が無いとそもそもその仕事ができないし、年収が高くなるのも当然だろう(最近は弁護士も儲けるのが大変みたいな話があるがここでは触れない)。同じような話がIT資格にあるかというと、そうではないというのが答えになる。高度情報やベンダ認定資格を持っていようがいまいがITの仕事はできるし、スキルや経験があれば資格は無くても高年収を得ている人は山ほどいる。

ただ、近しい話はいくらかはある気がする。例えば、官公庁や海外のIT案件を受注するには、プロジェクトマネージャ資格かPMPを持っているプロマネがいないとダメだ、みたいな話を聞いたことがある。仕事の受注条件に資格が入っているなら、それは「その資格が無いとできない仕事」と言えなくもない。ただ、別にプロマネの仕事が官公庁だけではもちろんないし、資格が無くても生きていけるというのが実態だろう。

その資格があることで自身の市場価値が上がる

現実としてはこっちの方がありそうだ。資格を持っていることで自身の知識やスキルを証明することができるので、転職市場である程度有利になるのは間違いなく、持っていないよりは持っているに越したことはない。資格を持っていることで手当てがついて直接年収が上がるケースもあるようだし(私はそのような企業に所属したことは無い)、面接での受けも多少はいいだろう。

とはいえ、実務経験が必要なPMPみたいなものはともかくとして、IPAの資格なんかは受験要件も無く学生でも取得できるので、持っていればいいというものではない。転職面接を受けたことがある人はわかるだろうが、実際に求められるのは実務経験や使いこなせるスキル、そしてそれを分かりやすく伝える会話力だ。そこに資格の有無はあんまり関係ない。

じゃあ資格が何に役に立つかというと、

  • 同じくらいの能力の他者との差別化+話のネタ
  • 自分が努力して結果を出せるという証明

みたいな表に出てこない部分なんだろうと想像する。

同じくらいの能力の他者との差別化+話のネタ

新卒採用にまつわる話で、「同じ能力なら学歴が高い方を採用する」というものがある。能力レベルが全く同じ候補者がいたとして、一方が東大、もう一人が地方大学出身だったら東大卒を採用するというものだ。これは自分が人事担当者だったらもっともな判断で、もし採用した人が全然使い物にならなかった場合、「同じ能力の候補者がいたので東大卒を採用したんですが…」と言い訳ができる。ブランド力が社会を裏から操っているのはどこでもそうだろう。同様に、能力レベルが同じであれば資格を持っている人を採用したくなるのが人情ってものだろう。誰しも無意識に保身を図るものだ。

また、資格を持っていると面接中にその資格に関する会話が広がって心証が良くなる可能性もある。面接官が同じ資格を持っていれば、その難しさや苦労等も共有出来て印象に残りやすくなるだろう。

自分が努力して結果を出せるという証明

上述の東大の話もそうだが、努力して結果を出せるというのは評価されるためにとても大事だし、実は稀有な能力だと思う。言いすぎると怒られそうだが、そうじゃない人、つまり継続的に努力できない人の方が実は世の中多いだろう。自分の基礎的な能力を証明するためにも、カタログスペックは充実していた方がいいに決まっている。

何の資格を取ればよいか

資格を持っていた方がいいというのは誰でも納得できそうだが、じゃあ何の資格を持っていたらいいんだろうか。バリバリプログラムを書いたりモダンな環境を使いこなす人なら、AWSGCPみたいなベンダ認定の資格がいいだろう。私は残念ながらそういうスキルを持っておらず、技術から遠いところで仕事をしがちなので羨ましさすら覚える。

そうではない一般のSEやもう少し経営視点に近いところで仕事をする社内SEみたいな人は、やはりIPAの資格を軸に考えると分かりやすそう。私の経験や所感では、大体以下のあたりを目指すと良い気がしている。

まとめ

あくまで自分の所感をまとめてきたが、まあ資格を持っていて困ることは無いだろう。私は仕事をしているよりお勉強をしてる方が気が楽で好きなので、最近は気分転換的に勉強している。おまけ程度の気持ちで気負わずに取り組んでみるのが良さげ。ITストラテジストなんかはJISTAにも入会できたりして、人脈形成にも使えるようだ(私は入会だけしてメーリスを飛び交うメールを眺めている幽霊会員)。

あとはそもそも、自分のキャリアが金を稼げるのかという視点でスキルを伸ばしていくみたいな思考が結構大事なんだよな。↓の本がこれまでの転職経験では役立つ知識だった。

おわり