徒然なる日々

無気力怠惰系社内SEのあれやこれや

ITストラテジスト合格に必要な要素について考える

前記事の通りストラテジストに合格したわけだが、世の中で言われている試験内容や難易度と実際に受けて合格した実感の乖離が大きいように感じたので言語化を試みてみる。ちなみにこれはあくまでも個人の感想で人によって感じ方が違うことだけは最初に断っておく。

正直な感想

勉強方法は前記事に書いたので割愛するとして、正直なところ世の中の評判に対して簡単すぎるだろと感じた。ネット上には資格難易度表や偏差値表なるものがたくさん転がっているので一つ引用させていただくと、

ITストラテジスト 資格難易度71 ランクS

引用元:資格難易度ランキング - 偏差値だからわかりやすい!

となっている。他のサイトも眺めてみたが大体同じ感じなのでこれくらいが世の中のコンセンサスなんだろうと思われる。この難易度、MBA、税理士、技術士、、、等の数多の超難関資格よりも上に位置しているのだが、「んなわけあるかいな」と言わざるを得ない。個人的には、ランキングのもっと下の方にあるPMP応用情報技術者、何なら基本情報技術者よりも簡単だった。

なぜ簡単と感じたか

完全なる主観であるが、これはひとえに「全然勉強しなくても受かったから」である。IT業界に入って最初に受けた基本情報はそこに至るまでに会社の研修などをたくさん経験していたし、PMPなんかはかなり過去問をやりこんだ上に一回落ちた。その点ITストラテジストは、前記事でも書いた通り本当に大した勉強をしていない。午前は過去問をアプリでちょっとやって暗記しただけだし、午後1は完全な国語のテスト、午後2も型にはめる練習をしただけで、全体通して新たな知識を全くインプットせずに合格してしまった。

これが例えばネットワークやDBスペシャリスト、システムアーキテクトみたいな技術寄りの試験だったらこうはいかなかっただろう。なぜなら自分の中には大したIT技術的な知識が無く、社内SEなどを長年続けてきた結果、なけなしのそれも既に失われてしまったからだ。

ITストラテジストに必要そうな知識

前述の通り自分には大したITの知識は無いし忘れた。ではなぜ新たな知識のインプットが必要なかったのか、試験ごとにちょっと分解してみたい。

午前1:

これは応用情報の問題の抜粋になっているとのことだ。一応長いことSEをやってきているしかつて応用情報も取得しているので、本当に最低限の知識があったことはアドバンテージになっているだろうが、今回受験にあたって過去問を見た時は全然分からなくて草枯れた。しかし基本も応用もそうだったように、午前問題は過去問がたくさん再出題される。もう言わなくても分かりますね。知識ではなく過去問と回答を5年分くらい記憶すればOKです。そこに技術的な裏付けは必要ありません。数日集中してスマホアプリで詰め込めば十分である。

午前2:

ここはいわゆる技術的な知識はほとんど必要なく、経営や財務、法務的視点とでもいえばいいのか、いわゆる会社経営に関する知識が問われる。このあたりの知識、普通にサラリーマンをしていれば勝手に身に付いているものが結構多く、新たに知識をインプットする必要がほとんどなかった。ITストラテジストを受けようとしているのはほとんどが社会人だろうし、試験会場でも大体の人が30-40代に見えたのでここは楽勝だと思われる。知らないことも過去問を覚えれば大丈夫。午前1と同じである。さすがにここまでの午前で落ちてる人はほとんどいないだろう。

午後1:

これは何というか、ITストラテジストが国語のテストと言われる理由の最たるところな気がする。文字通りITの知識は不要である。もちろん、IoTだのAIだのといった最低限のIT用語は覚えておかないといけないが、そんなものは今どき小学生でも知っている。よって、純粋な国語力が試される試験と言って間違いはないだろう。問われている点に対する回答は本文中にほぼそのまま埋まっていることが多く、改変などせずにそのまま書き写して語尾だけ整えれば正解になる。なので国語力=読解力が一定以上ある人ならば何も勉強しなくても受かってしまうだろうし、ここで落ちている人は根本的な国語力を鍛えるのがこの先の人生にとっても有意義だと本当に思う。参考書には読み方、解き方のテクニックがまとまっていて面白いが、テクニックを学ぶ前に日本語を学ぶのが良い。私は幸い国語が少しだけ得意だったのでここも余裕だった。

午後2:

ここで落ちている人が一番多いと思われる論文テストだが、ここも最低限の国語力があれば、あとは論文の書き方の型にはめるだけで良い。と言いたいところだが、ここに関してはある程度の実務経験があった方が圧倒的に記述しやすいのは確かだと思う。本番の論文にはもちろん経験もしていない嘘事例を書き並べることになるのだが、その元ネタや細かい要素は実務で触れた事象を大いに参考にした。なので実務経験がある人はそれを参考にしながら論文の型にはめる練習をする、実務経験が無い人は論文のパーツとなる事例をかき集めたり勉強したりするところから始めるといいだろう。論文の型についてはここでは詳しく触れないが、前記事でも触れた参考書がとても役に立った。

単なるIT導入、SE的視点ではなく、無理やりにでもIRRとか経営指標的な言葉をさも分かってるかのように入れ込み、あとは途中で発覚した課題に対してこうやって乗り越えた、みたいな物語的な山谷を入れると完璧だろう。IT業界の人でも、顧客に対して調子の良いことをあれやこれや喋りまくって生きてきた口八丁人間にとってはかなり簡単だ。逆に全てに対して真面目に取り組んできた人ほど苦労するのかもなぁ、とちょっと思った。

あとはこの試験の何が一番辛いって、令和の世に存在するIT資格のくせに手書き論文であることだ。頭おかしいんとちゃうか。私は手書きで文字を書くのが昔から本当に嫌いなので憎々しさだけが募る。とにかく字を書くのが下手糞なので無駄に力を込めてしまい手が激痛に包まれていくし、小学校の通知簿、いつも字が汚いと教師にけなされ続けたことも思い出して暗澹たる気持ちになった。綺麗な字が書けるなら書きたいがな。

国語力って何ぞや。ITストラテジストが難しいと言われるのはなぜ。

ここまでしきりに国語力について語ってきたが、国語力っていったいなんぞと考えてみるとなかなか奥深い。単に国語のテストで点数を取れることだけではないように思う。個人的意見だが国語力とは、日本語を使いこなして適切なコミュニケーションが取れたり、分かりやすい情報発信ができたり、みたいな能力のことだと思っている。ITストラテジストで言うと、午後1の問題文をあるがままに読み解き問われていることに適切に回答できる、午後2で「書け」と言われていることを理解して余計なことは書かずに必要なことを過不足なく盛り込める、など。午前試験に関しても、例えば知らない略語が出てきた時に何の略なのかを想像して選択肢を絞っていくのにも国語力が役に立つと思う(これは多少の英語力もいりそうだけど)。

あと自分の過去に照らして思うのは、国語力が向上するに従って他の事象や教科の理解力も向上するものだと思う。日本語の文章を読めるようになると英語も数学も理科も社会もテストの点が勝手に上がっていったように記憶しているし、つまり国語力って理解力+言語化能力のことなんだと解釈している。要点を押さえる力、みたいなのもありそう。

さて、ここからは叩かれそうな話だが、現在までの社会人生活を振り返ってみると、この人まず国語の勉強しろよと思う人が結構いた。そういう人の特徴を思い返して一言でまとめると「何言ってるか分からん人」となる。こんなこと言ったら怒られそうだが、IT業界には本当に何言ってるのか分からない人が結構いる(他の業界のことをあまり知らないけど)。メールに書いてある内容の意味が分からない、直接喋っても分からない、ストーリーに起承転結が無い、話が長い上に結局何が言いたいのか分からない、みたいな、国語ができない人って結構いるんだなと失礼ながら思っている。

そして、ITストラテジストがIT系資格最難関と言われている所以はまさにここにあると確信している。すなわち、IT業界にはIT技術に特化しすぎていて国語力が無い人が一定数いて、そういう人がITストラテジストを取ろうとして苦労している、というのが私の説だ(怒られそうなので改めて、あくまで個人的な考えです)。ITストラテジストは国語力+多少のIT知識や経営知識を測るテストである。いくらプログラミングができても、上手にシステムの設計ができても、国語ができないとそりゃ苦労するよねという話である。逆に、国語力があればITのバックグラウンドが無くても簡単に受かってしまう人がいるのもその通りだろう。なので、受験している母集団の能力値からすると難しいために、他の試験区分よりも難関資格と言われているが、例えば全くIT初心者の文系職の方々がIPA資格を勉強し始めたとしたら、ITストラテジストは間違いなく高度情報試験の中で最も簡単な試験筆頭だろう、というのが持論である。そして当然のごとく、税理士や技術士気象予報士なんかより難しいわけがないし、それは試験の範囲や問題数、内容をよく見てみたらすぐに分かる。

国語力を身に着けるためには

ここまで偉そうに語ってきたが、私は中学生くらいまで国語が大の苦手であり嫌いだった。作文は何を書いていいか分からず、楽しかった、面白かった、みたいな超短文を組み合わせて原稿用紙の半分を埋めるのが精いっぱいだったくらいである。

それでもITストラテジストを苦労せず取れるくらいになったきっかけは高校時代、何のことはない、読書の楽しさに気付いたからだ。高1の頃に小説をたくさん読み始めて、気付いたらお勉強の成績が軒並み上がっていた。本当にそれだけであり、国語が苦手な人はITストラテジストを受験するより先にたくさん本を読むことをお勧めする。ITストラテジストの資格よりもこの先の人生に役立つのは間違いない。

ジャンルは何でもいいと思う。エッセイが好きならエッセイで良いし、時代小説が好きならそれが良い。結局自分が楽しめることに取り組むのが、人生の何事においても長続きしたり効果が出る秘訣だよね。

最後に取ってつけたように、私が高校時代に読書が好きになったきっかけの本を数冊載せておく。いやぁ、読書って本当にいいもんですよね(みずの)。さよなら、さよなら、さよなら(よどがわ)。

 

デスクワークの味方hillock

私はIT関係の職種ということで、ずっとデスクワークをしている。コロナ前は毎日律義に出社して会議室で会話したりもしていたけど、コロナ以降は完全にリモートワーク中心の暮らしとなり、一日のほとんどをパソコンの前で過ごすことになっている。

運動不足は頑張って懸垂したりスクワットしたりして解消を試みているものの、パソコンの前に座っている時間が増えたので、必然的にマウスやキーボードをカチカチしている時間も増えている。休憩時間とかもずっとネットサーフィンしているので、常におなじみのあいつと隣り合わせなのだ。すなわち、

腱鞘炎
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ITストラテジストに合格したので感想や勉強方法などまとめ

4/16にITストラテジストを受けてきた。

合格発表は6/29とのことでずっとそわそわとしていないといけないけど、ひとまず忘れないうちに感想やどんな勉強をしたかなどまとめておこう。合否が出たらここに追記する。

 

6/29追記

受かってた(^o^)やったね(^o^)

やはりある程度実務経験や経営、戦略の知識があれば、他の技術的要素を問われる試験区分よりも勉強時間少なめでいける試験なんだろう。ほぼ国語と一般常識のテストだと感じた。ネットに転がってる資格偏差値表みたいなのでかなり上の方にいるのは違和感ある難易度だったので、それで尻込みしてる人はどんどん受けると良いと思う。行政書士気象予報士より難しい訳がないので。

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喉の味方・うどんや風一夜薬

私事だが、私はものすごく喉が弱い。風邪をひくと最初から最後まで喉が苦しく、気管支まで苦しくなるのが常である。

その上、コロナ禍以降は外に出ることも減ってあまり人と会話しなくなった結果、たまに友人と飲みに行ったりすると声がかれてしまって辛い思いをする。先日も、久しぶりに行ったカラオケの傷が1週間ほど癒えずに本当に苦しかった。助けてほしい。

そんな私が先日、画期的な食品に出会ったので全世界の喉よわよわ属のみなさんに紹介したい。これは本当にいいものだ。冬の寒い日に痛くて苦しくなった喉を包み込んでくれる画期的な商品。

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TOEIC点数アップに確実に貢献する参考書や問題集たち

ETS®TOEIC®

ここまでの記事では、主に英語の勉強の仕方などをまとめてきているけど、今回はTOEICの勉強で役に立った参考書や問題集などをまとめておく。今の私のTOEICの点数は875点であえてこれ以上上げる必要性は今のところ感じていないが、いつか900点を目指したくなった時のための備忘録的な感じ。

全てTOEIC特化で点数を取るための書籍たちで、ある程度の基礎が無いとすぐに800点とかを狙えるものではないだろうけど、例えば650-700点くらいとれている人が800点を目指すのにはとても効率的なラインナップだと思う。

その実、どこでも紹介されている有名な本たちなんだけど、有名ということはやはり効果があるということ。大きく4つに分けて紹介していく。

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長文音読と要約のすゝめ・TOEIC点数アップに向けて

TOEICで高得点を目指そうと思ったら、もちろん長文を読む練習を欠かすことはできない。TOEICのReading部分の後半はずっと長文読解だし。ただ、長文をひたすら読み続けるのって気合もいるしやはり飽きてきたりする。そこで、長文読解の一つの活用方法として、音読と要約をおすすめしてみる。

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シャドーイングのすゝめ・TOEIC点数アップに向けて

いわずもがな、TOEICの点数を上げるためには、ReadingとListeningの両方の点数を上げていく必要がある。この記事では、Listening力を向上させるための方法の一つとして、シャドーイングを紹介したい。

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